ポルトガルの巨匠建築家アルヴァロ・シザによる「ボア・ノヴァ」は料理まで美しい。
ポルトガル第二の都市、ポルトの海岸線にある「ボア・ノヴァ・レストラン」。1063年に完成した、アルヴァロ・シザが初期に手掛けた建築のこちらは、アルヴァロ・シザ自らが改装をしてレストランとしてオープンした。
建築が素晴らしいのはもちろんのこと、建築だけでなく全てが最高のレストランと言えるだろう。
2017年、2018年にミシュラン1つ星を獲得
現在の「Casa de Chá da Boa Nova」という名前の前は、もともと「Tea House」という名前だったそう。しかし老朽化しており使われていなかったため、アルヴァロ・シザが手を加えたのだとか。
現在はリノベーションされ、ポルトガルでも著名なシェフ、ルイ・パウラが率いるレストラン「Casa de Chá da Boa Nova」となっている。このレストランは2017年、2018年と連続でミシュラン1つ星を獲得した。
建築とガストノミーの美味しいプレゼンテーション
地形を生かし岩場の上に建っているため、席からは岩場越しの海を見ることができる。贅沢な絶景を目の前にしながら、ランチのコースをオーダー。最初はビールからいただく。
まず運ばれてくるのは、ポルトガルではポピュラーな3種類のパン。ほんのりワサビっぽい味のするバターとオリーブオイルで食べる。美味しいのだけど、これを食べ過ぎるとメインディッシュまで食べ切れなくなってしまうので、セーブしながらゆっくりいただく。
こちらのお店で出される料理は、全てガストロノミー。スペインのバスクやバルセロナから世界に広がった料理だ。
なんと、料理が木箱に入って出てくるという演出も!コース全体がプレゼンテーションになっているようで、味だけでなくパフォーマンスとしても楽しませてくれる。
味だけでなく、その見た目も色彩も造形もデザインされている。スタッフさんもみんなにこやかで居心地がいい。
食事の途中で、ワインをオーダー。この後は魚介類が多くなるらしいので、白のグラスワインにした。
鮮やかな色彩で一見すると何の料理かわからないが、口に入れてみると食材の繊細な味が舌に伝わる。
可愛らしい形の器で出てきたウニのムースは、口の中に入れるとウニの風味がふわっと広がる。
近海で獲れたイカやエビ、シラスにグリーンソースを加えた魚介料理。プリプリとした身にほのかな野菜の味が混ざり、とても美味しい。
いよいよ、メインディッシュの登場。メインの一つであるタラは、宝石箱のような箱に入って現れた。先ほどの木箱に続き宝石箱と、こちらを飽きさせない演出が楽しませてくれる。
タラを取り出すと、美しくソースが彩られた皿に置かれる。それぞれの繊細な味のソースと一緒に食べると、深みがある味になり、4つ異なる味を楽しめる。
もう一つのメインディッシュは、子羊のお肉に子羊のソース、季節の野菜。
食後酒として白のポートワインをいただく。ポートワインは、ブランデーのような甘い味のポルトの名物ワインだが、白は初めて見た!
デザートにはアイスが運ばれてきた。あまり特徴のないアイスのように思えるが、ポートワインと一緒に食べるとより美味しく感じる。
もう一つのデザートはチョコレート。これまたカートで出てくるという演出に驚きだ。
厨房の中も見せてくれる
食事の途中には、厨房の中を見ることもできた。
厨房の中は思ったよりも結構広く、大勢の人が働いていて賑やかな雰囲気。
厨房の中には、ポートワインの樽も。
そして、ポルトやポルトガルで伝統的なタイルを器にして、お菓子を盛り付けて「ポートワインと一緒にどうぞ」と、嬉しいサービス。
アルヴァロ・シザの建築が素晴らしいのはもちろん、「ボア・ノヴァ・レストラン」では美味しいガストロノミー料理と最高のホスピタリティを体験することができる。
ぜひポルトガルを訪れることがあったなら、リスボンだけでなくポルトまで足を運んでみてはいかがだろうか。
Casa de Chá da Boa Nova – Chef Rui Paula – ボア・ノヴァ・レストラン
営業時間:12:30~15:00/19:30~23:00
定休日:日・月曜日
電話:+351 22 994 0066
URL : http://www.casadechaboanova.pt
住所:Avenida da Liberdade nº 1681, 4450-718 Leça da Palmeira, Porto, Portugal